ishii_column_02

〜多様な価値観に基づく筋肉づくりを〜

私たちヒトを含むすべての生き物にとって、「動く」ことは本質的な特性といえます。そもそも、細胞が動かなければ増殖することもできず、私たちの体が形成されることもありません。広い意味での「運動」は私たちの存在基盤といえます。また、歳をとって「体の移動能力」が低下すると、ロコモティブシンドローム、さらには要介護につながります。


私たちは、医療技術の進歩のおかげで、感染症を防ぎ、重篤な疾病から心臓や肝臓などの「主要臓器」を守り長持ちさせる術を得てきました。その結果が、平均寿命の延伸という形で現れているといえるでしょう。一方で、「自立した、質の高い生涯を送ること」、すなわち「健康寿命」を延伸することが、次の大きな課題となってきています。そのためには、移動能力の基盤を担う「筋肉」の機能を維持し増強することが重要です。


ボディビルは文字通り「体づくり」を意味します。日本ボディビル・フィットネス連盟(JBBF)は、効果的・効率的な筋トレーニングの普及を通して、多くの方に精神面の健康をも含めた総合的な「体づくり」を実践し、健康寿命の延伸につなげていただくことを、重要な活動目標と考えています。その象徴のひとつが「ボディビル競技」といえます。
トレーニング技術の向上やサプリメントの普及などにより、ボディビル競技のレベルは向上を続けてきました。反面、そのことが「筋肉を巨大化する」という価値観の一元化につながり、時として違法なドーピングの温床を形成してきたこともまた事実として認めざるを得ません。これはまさに、トレーニング実施人口の急激な増加に反して、ボディビル競技人口が伸び悩んできたことの要因といえるでしょう。


そこで、JBBFは国際ボディビル・フィットネス連盟(IFBB)との連携を密にはかりながら、競技カテゴリーの多様化に取り組むこととなりました。その目的は、「多様な価値観のもとで、真に健康で美しい体づくりを目指す」ことに集約されます。そしてこのような取り組みが、アマチュア世界選手権を頂点とし、健康づくりを指向される方々を含んだ広い底面をもつ「ボディビル・フィットネスピラミッド」の形成に、さらには「万人に愛されるボディビル・フィットネス」につながるものと確信しております。


まず、多くの方々にこうしたJBBFの取り組みを知っていただくこと、関心を持っていただくこと、そしてできれば参加していただくことが重要です。そのためのインターフェースとして、このサイトが機能することを祈念しております。


日本ボディビル・フィットネス連盟 理事・副会長
東京大学大学院 教授
石井直方

n_ishii

コメントは利用できません。

関連コラム

親コラム