▼食べる時間が短かすぎないか?▼

 同じ材料を使った同じメニューの食事を食べても、多くの人が私の半分くらいの時間で食べ終わってしまいます。とくに忙しいサラリーマンの昼食の速さは驚きです。

 ゆっくり食べると良いことが3つあります。
①食材が細かく砕かれて消化吸収が良くなる。胃や腸、肝臓、すい臓など内臓がラクになる。
②唾液がグンと増え、腸などの免疫力が高まる。健康で強い体質になれる。
③歯が強くなり、虫歯も減る。

 高級なレストランほど、豪華な調度品、食器類、きれいな花、良い音楽、良いサービスで会話を交わしながら、ゆっくり食事ができるようになっています。消化吸収が進み、健康効果が増すからです。
ところが急いで食事をすると、唾液が少なく、胃や腸に負担をかけます。ゆっくり噛まないと、食べ物が血や筋肉に変わりにくいのです。消化されないままで排出されることもあります。ピーナッツやサキイカなどは顕著です。野菜や海草類、きのこ類も同じです。

▼唾液の効果はこんなに大きい▼

 赤ちゃんや子供たちは唾液がいつも多く、免疫力が高くて元気です。若い運動選手も食欲旺盛で、水もろくに飲まず、早食いしがちです。この習慣を直さないと中高年になってから唾液が減って後悔することになります。
 元ボディビルダーだったAさんは70才になった現在、肥満、歯周病、高血圧、糖尿病、膝の痛みなどで苦しんでいます。健康知識があったはずなのに、現役時代とあまり変わらない食事を昔と同じ速さで食べ、それが当たり前と思っていたそうです。お酒も甘い物も好きで、今もなかなか止められません。
 疲労しやすくなり、大嫌いだった病院にしぶしぶ検査で行ったところ、「すでに血糖値が400mg近くになっており、このままなら人工透析になる」「ガンになるかも?」と医師から警告されたそうです。
 ふだん気が付きませんが、唾液には前述した消化作用のほかに、「喉に食べ物を通りやすくする」「細菌の繁殖を抑える」「削られた歯の表面を修復する」「粘膜の乾燥を防ぐ」「老化防止ホルモンのパロチンが含まれ、筋肉や肌に張りを与える」「IGFというホルモンが血糖値を下げる」「歯周病を押さえ、口臭を消す」「発がん物質の働きを押さえる」など、実に大きな作用があるのです。

▼ゆっくり食べる具体的なコツ▼

 唾液を多く増やしながら食べることが健康増進に良いわけですが、具体的にどうすれば良いのでしょうか?

①食欲が湧く美味しい食べ物を食べよう。
 ムリに食べるのでなく、お腹を空かせてから食べる。良い食材を用いた美味しそうな料理を食べる。お金が少々かかっても・・・。
②野菜をもっともっと増やそう。前回述べたように、野菜に健康成分が多く、噛むのに時間がかかるので・・・。1日トータルして最低でも400gは食べよう。
③固い物も好んで食べよう。
 柔らかいハンバーグ、カレーライス、トウフ、ケーキ類ばかりでなく、固めの野菜、根菜、きのこ類ナッツ類などを取り入れてゆっくり噛み砕きながら食べる。
④口に入れたら30回噛んでから喉に流そう。
30回数えているうちに、食べ物が砕かれて自然に柔らかくなる。味覚が美味しくなる。
⑤一人でテレビを見ながら食べるのでなく、できれば人々と談笑しながら食事をしよう。楽しい会話は消化を助けます。イヤな話題は禁止です。
⑥外食の時は隣の席の人より、1分でも長くゆっくり食事する方針で・・・。ファストフードや立ち飲みのような混雑している店より、ゆったりしている店を選ぼう。

著者プロフィール

野沢秀雄(のざわ・ひでお)

1940年、京都生まれ。京都大学農学部、東京衛生学園鍼灸科卒業。健康体力研究所を創立し、現在顧問。主な著書に、「自己トレーニング法」(青春出版社)、「一週間でやせる本」(永岡書店)、「リアルエイジがわかる本」(永岡書店)、「スクワット超健康法」(講談社)。最新刊として「体の中から柔らかくすれば必ずやせて、病気にならない―野沢式やわらか体操」(ベストセラーズ)がある。

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主な職歴

昭和39年(1964)明治製菓株式会社入社
昭和51年(1976)健康体力研究所設立。所長。
昭和59年(1984)有限会社ヘルススサービス設立

情報発信

フェイスブック:https://www.facebook.com/hideo.nozawa.92?ref=br_rs

h_nozawa

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