▼食事を変えたら一変した▼

 プロテニス界の王者として世界ランキング1位の好調を維持しているセルビアのジョコビッチ選手(2015年現在28才、188cm、80kg)。その彼が「ジョコビッチの生まれ変わる食事」(三五館)という本を出版して大きな話題になっています。
5年前(2010年)にトップ5になれる実力を得ていたのに、それ以上に進めなかった彼。コーチ、トレーニング方法、ラケッなど、いくら変えても効果がない・・・。

毎日3~5時間のテニス、90分の筋トレ、ヨガや太極拳、さらに余力があればランニングやバイク漕ぎ、カヤックまでやったといいます。でも進歩がなかったのです。
しかし2011年7月、食事法を見直し、小麦粉に含まれるグルテンを一切食べないことにしたら、たった数日で身体が軽くなり、体調が別人のように変わったといいます。
砂糖を晴らし、乳製品も避けることで、3カ月後、体重が4キロも落ち、スピード、パワー、サーブ技術などとあらゆる面で進化できました。グルテンフリーの食事法を続けた結果、2014年に世界一になれたのです。

▼小麦粉アレルギーと小麦粉不耐症▼

 本来は害をもたらさない食品に対して自分の体にある免疫機能が過剰に反応し、じんましん、発熱、下痢、腫れなどの異常状態になることがよくあります。卵、牛乳、小麦粉は日本人の3大アレルゲンといわれます。このほか、ソバや落花生、エビやカニなどの甲殻類、サバやカツオなどの青魚に過剰反応する人もいます。マンゴーなどのフルーツにかぶれる人も意外に多くいます。9割の人が何らかに対してアレルギー反応を示すそうです。
 小麦粉の場合、含まれているタンパク質成分のグルアジンとグルテニンが水分に溶けて練ったときグルテンができます。粘り気やふっくら感じはグルテンのお陰です。その一方で過剰なアレルギー反応を起こします。
 アレルギー反応は食べた直後スグに起こります。症状が軽く、それほど気にならない程度から、アナフラキシーと呼ばれる急死する程度まで幅があります。
 これに対して「グルテン不耐症」というケースもあります。反応がスグ出るのでなく、胃の中や腸に入ってから腹痛やガスの異常発生、下痢などが起こります。「セリアック病」と診断されることもあります。胃腸に炎症が起こり、毒素が細胞を強く攻撃します。

▼パンが人類を殺すのか?▼

 ジョコビッチの本と並んで「いつものパンがあなたを殺す」という本があります。
小麦粉のグルテンはパン、ケーキ、パスタ、ピザ、クッキー、ラーメン、うどん、ギョウザ、しゅうまい、お好み焼き、たこ焼き、クッキーなど主食にもおやつにも広範囲に含まれています。「食べるな」と言われても困惑するばかりです。
グルテンに悪い反応をする人はアメリカ人で30%、日本人で10%ほどです。ジョコビッチの本でも「全員に食べるな」と警告しているわけでなく、病院でアレルギー検査を受けて異常がある場合は「パン、パスタなどを止めたら」と自分の体験を述べただけだと説明しています。「パンが人を殺す」というのはオーバーでないでしょうか? 小麦粉を使用した食品の量さえ減らせばそれほど心配ないのでありませんか?
とはいえ、近年の遺伝子操作により、小麦粉は短期間に高収量できる品種に集中しているそうです。それに伴い、欧米や日本で小麦粉アレルギー患者が急増していることも事実です。この点、コメはアレルギー症状がなく安全な主食材料です。世界的な日本食ブームに納得できる気がします。コメ粉を使用したパンや菓子が広まる予感がします。 

著者プロフィール

野沢秀雄(のざわ・ひでお)

1940年、京都生まれ。京都大学農学部、東京衛生学園鍼灸科卒業。健康体力研究所を創立し、現在顧問。主な著書に、「自己トレーニング法」(青春出版社)、「一週間でやせる本」(永岡書店)、「リアルエイジがわかる本」(永岡書店)、「スクワット超健康法」(講談社)。最新刊として「体の中から柔らかくすれば必ずやせて、病気にならない―野沢式やわらか体操」(ベストセラーズ)がある。

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主な職歴

昭和39年(1964)明治製菓株式会社入社
昭和51年(1976)健康体力研究所設立。所長。
昭和59年(1984)有限会社ヘルススサービス設立

情報発信

フェイスブック:https://www.facebook.com/hideo.nozawa.92?ref=br_rs

h_nozawa

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